兵庫県内における医師偏在問題について


The view from the top of Mt. Rokko日本の医療は西高東低と言われるように、慢性的な医師不足にある日本において、西日本は東日本よりもまだ状況はいい方です。しかし、兵庫県については、西日本にありながら医師不足と病院の偏在において、西日本の他県よりも難問を抱えているようです。

知り合いの関東から転勤してきた医師に聞いたのですが、その病院では緊急搬送が多く、しかも50~60km離れたところから患者が搬送されてくるということです。緊急時にも関わらず、時速50~60kmで救急車を走らせても1時間はかかる計算です。どれぐらい異常かというと、その知人の医師が以前いた東京ではせいぜい遠くても10~20km程度の救急搬送しか見たことがないということです。約3倍以上の距離を兵庫県では「緊急」の範疇としていたことにまずはびっくりしたとのことです。

知人の医師が勤務している病院があるのは神戸市です。実際には、他の病院でも同じような状況のようで、その理由は兵庫県内の病院が神戸市に集中していることだそうです。では、どうしてこのような状況が発生するに至ったのでしょうか。その理由は、医師養成機関の少なさです、兵庫県内には西宮に兵庫県立医科大学、神戸市内に神戸大学と2つの医学部しか存在しません。そのため、兵庫県内の南部以外の地域では大阪大学、岡山大学などの医師派遣に頼ってなんとか医師を確保しているという現状があるのです。この医学部の少なさと偏りこそが兵庫県内の医師と病院の偏在問題に直結しているのです。

では、解決の方法はないかというと、根本的な問題である兵庫県南部以外に医師養成機関を設立することが最適な解決方法ではあるが、そう簡単に実現できるものでもない。現状ではこちらのドクタービジョンなる医師転職サイトで確認できるように、医療不足の地域では医師の報酬を引き上げるしかないようです。今後、その他の解決方法を医師なり行政からもたらされることに期待せざるを得ないのが現状のようです。

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